疲労破壊

 仕事柄、金属部品の破損原因を教えていただくことが時々あり、大きく大別して衝撃破壊と疲労破壊があります。衝撃破壊は名の通り部品にどかーんと衝撃が加わって壊れるもので、一方の疲労破壊は部品に繰り返し伸縮や曲げ応力がかかり、最終的に部品が耐えれなくなって亀裂が入ったり、折れたりします。壊れた断面を見ると疲労破壊の場合、波型に模様がつくことから「貝殻マーク(ビーチマーク)が見えるから疲労破壊だね」なんて原因を分析したりします。

 えー。

 ぶっ壊れた左ひざを抱えながら、サンパウロからロンドンに11時間かけて飛び、ヒースローの巨大な空港で3時間ほど過ごして、再びロンドンから羽田まで11時間かけて飛んで、通勤ラッシュの京急に乗って、スーツケースを杖代わりにして品川駅構内をヨタヨタ歩いて新幹線チケットを買うと、改札はコンコースの反対側。コンコースには通勤の方々がどどーっと一方向に流れていて、壊れた膝を抱えながらとてもその流れを横断する勇気が出なかったけど、行くしかないのでヨタヨタ歩き出す。で、思い出しました。ベトナム ホーチミンのオートバイの流れの中を道路横断するのと同じでした。
 流れは一定なので逆らわずにこちらも一定ペースで歩くとなんとか渡れる。

 やっと自宅にたどり着き、近所の知り合いの接骨院へ。痛みが長引いているので整形外科を紹介してもらい、磐田駅南の膝ならこの先生だろうという評判の病院に行く。受付で初診の問診票を書いて、整形外科の窓口の人からも問診を受ける。病院に来るといつも思うけど、この問診って待合スペース的なところで行われることが多く、結構プライベートでデリケートなやりとりになっていて、他の人に聞かれるのはあまり好ましくないと思うんだけどな。まぁ自分の場合はデリケートでもなんでもないのでいいですけどね。

 診察の順番がきて、先生の前に座る。問診が済んでいるので簡単なやりとりのみで、膝を見た後にベットで正座してみて、と言われる。どうも関節か筋か見極めてるような感じ。正座は問題なくできる。

 じゃ横になって自分で痛いあたりを指差して、と言われ、この辺ですと指差したところ、ピンポイントでここでしょ、と膝の下内側を押される。。。痛い。

 「鵞足炎だね、走り過ぎ。」現象と原因を一言で告げられる。さすがトラブルシューティングすげーな。

 「炎症を抑える注射打っておくか、うーんその前に一応MRIも撮っておきましょう」

 ということで、人生初のMRIマシン室に向かう。受付で若いおねーさんに、MRIの間音楽かけますからお好きなCDを選んでください、と分厚いCDケースを手渡される。グリーン、B’z、サザン、スピッツ、ウルフルズ、90年代ベスト、ケツメイシ、などなど手書きレーベルのCDがたくさん入っていた。「むむ。これはフリか?選曲を試されているのか?」悩む。。。妥当なところでウルフルズやサザンにいったら、年代的そうだよねって感じだし、90年代ベストはあまりにも芸がないだろう、AKBだと笑われそう、かといって洋楽もなぁ、KISSにクラプトンってどんな品揃えだ。。。。演歌もちょっとあったけど。。。落語があればいいのになぁ。。。

 「あ、決まりました?」
 「はい、これでお願いします。」
 「あ、テイラースウィフトですね、わかりました。じゃ中へどうぞ」ちらっとレーベルをみながら淀みなく対応する係りのおねーさんがふと「おっさん無理すんなよ」って呟いた気がした。
 てーらーすいふとのCDなんて初めて聴くよ。。。あぁ自意識過剰さ。

 狭い部屋にゼネラルエレクトリック製の巨大なMRIマシンが鎮座し、さっそく輪っかの中をくぐるようにセットされたベットに横になる。脚を固定されヘッドフォンがかけられ、案外フツーなテイラースウィフトを聞きながら約30分。なんか電子レンジに片足突っ込んだ感じでじんわり温かい感じでした。

 「やっぱり鵞足が炎症を起こしてるね。ここ。」
マウスをスライドさせるとそれに応じて脚の断面図がグリグリ動くMRI画像を先生が画面で見せてくれた。

 「でもね、大変なものを見つけてしまったよ、ここ、疲労骨折してるね」
目の前の画面には、すねの骨が膝と接合する部分の太くなった(いわゆる犬がくわえている骨の端っこの太い部分、なんじゃそりゃ)ところでくっきりクラックが、いや亀裂が見えた。

 繰り返し伸縮応力がかかることによる母材強度不足、または母材強度を超える応力が加わった。。。。か。

 「高校生か老人ならわかるけど、あなたの年齢で珍しいね。ま、短期間にやりすぎたんでしょ。うーん、治療方法は特にないので安静にして、痛く無くなっても飛んだり跳ねたりしない。走らない。一ヶ月後にもう一回MRI撮って経過見ましょう。全治3ヶ月かな」
 またもや現象に対する原因とその対応についてばっさり言い切られ、修理までの時間もコミットされてしまった、あ、ドクターが治すんじゃなくて自分で治すのか。。。

 次回からリハビリ日記をお送りします。 果たして渡良瀬に間に合うのか?
 I will be back. すっかりジジィなシュワルツネッガーが目覚ましテレビでカメラ目線で言ってたぞ。。。
 
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No title

これはこれは大変なことで、、、、
まあ、自転車なら疲労骨折はまずしませんのでお早い回復お祈りいたしております。

わたしゃ渡良瀬出場黄信号です。

Re: No title

病院の先生も自転車には乗ってもいいと言ってたので、しばらくはローラーリハビリですかね。ま、調子に乗って慣れないことをするもんじゃないってことですな。

No title

ありゃりゃ……
膝には、歩くと体重の2倍、走ると8倍以上の力が掛かるらしいので…

自転車は、体重以上掛からないらしいけど、それは平地を普通に漕いでいる場合で、負荷を上げると歩いたり走ったりするのと同じなので、気を付けてローラーやってくださいね!

健康雑誌などによると自転車は体に良いけど、競技系自転車は例外らしいので!

Re: No title

そうですよね、自転車は膝に優しいといっても、無負荷ローラーぐるぐるの状態でのことですよね。先週の日曜日にちょっとローラーしてみましたが、うーむ、踏み込むにはまだまだ早いなぁということで今週はおとなしくしています。
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けびん

Author:けびん
好きなもの:ゆるい登り坂と追い風
好きじゃないもの:180以上の心拍数
欲しいもの:折れにくいココロ
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