キャノンボーラーになれなかった夜 本編

 5月1日早朝、特に緊張してとかじゃなく、ふつーに5時頃目覚める。買っておいたパンとヨーグルトとバナナを食べて支度してホテルを出る。まずは大阪中央郵便局へ。ここのゆうパックの受付が朝の7時からなので開店前に到着し、少し待って荷物を預ける。2日の午前中には日本橋郵便局に届くということなので、ふふ、競争だな。

 身軽になって、スタート地点まで移動。

IMG_1493.jpg

第1スティント 大阪ー関
 んで、スタート。早朝の大阪の街に走り出る。2回曲がって163号線に入る。あとは清滝トンネルへのアプローチを間違えないように、比較的空いている道路を順調に走行。先人達に教えてもらった右側のトンネルの右歩道にうまく進めてトンネル通過。誤算だったのはトップチューブバックに入れた簡易キューシートが走りながらだと非常に読み辛い。最近ブルベに出ていないので、すっかり準備が甘くなってるな。やっぱりハンドル前に取り付けないととても走りながら読んでられん。

 清滝トンネルからは下り基調で木津方面へ、途中で迷ってまた引き返す。

meisou.jpg

 これを迷走と呼ぶ(GPSって残酷だなぁ)。なんとか木津駅通過して163号線を伊賀方面に向かう。木津川っぺりは天気もいいし、気持ちよく走る。時々自転車乗りさんもいたりして楽しい。伊賀市のあたりで25号線になり、いよいよ酷道の始まりか、と身構えるも、まぁいい感じの道路を進む。信号待ち以外で休憩していないので平均速度も少しづつ上がっていく。名阪国道と並走する感じになり、伊賀ドライブインの看板が見える。おおお、今年はやたらこの伊賀ドライブインを見ながら走ってるぞ。

 ドライブインの看板を過ぎると、だんだん道が細くなっていく。しばらく進むと採石場が現れて、道路にも細かい砂利が浮いている。これかぁ、そのうちダートになるっていう噂の国道は。。。が、結局砂利がたくさん浮いている路面はあったけど、ダートコースはなくおそらく道路改修を行ったよう。ひどいアスファルト路面はあったけど、押しが入るようなことはなく、無事に通過し、1号線に合流した。ここからは勝手知ったる道なのでぐんぐん飛ばす。平均速度が28K台だったので、調子に乗ってもう少し速度を上げて29Kに乗せてから関のミニストプに到着。

IMG_1494.jpg

 いいね。道中は持参したあんころ餅を食べていたので、ここでの補給はボトルにポカリ、その場で飲むのにオレンジジュース、そして第2スティントは暑くなりそうなのでクーリッシュを購入。補給だけして少しストレッチしてからすぐにスタート。亀山、鈴鹿のバイパス系道路を快調に走行。途中で歩道を歩く数人のチームがいて、背負ったバックパックに参覲交代 大阪ー東京って書いたプレートを下げていた。徒歩だと何日くらい掛かるのかね?

第2スティント 関ー本宿
 もうすぐ四日市かなぁというところで後輪の異変を感じる。信号待ちで触ってみると、スローパンクしている。まずい。歩道に緊急ピットイン。すぐにチューブを外して空気を少し入れてスローパンクの原因を探る。穴が見つからない。タイヤの内側も丹念に調べるも、原因がわからない。まずい。再発のリスクがあるので原因だけははっきりさせたかったのだけど、どうしても見つからず。時間をかけても仕方がないのでとりあえず新品チューブに交換。その間に参覲交代の方々に追い抜かれる。空気ボンベで一瞬で空気を入れ、再び走り出す。20分程度の停車だと思うのだけど、平均速度は1.5km/h
ほど下がった。まだ貯金があるから大丈夫。

 四日市からの市街地走行も渋滞がさほど激しくなかったのでなんとか速度を保って通過。愛知県に入る頃には気温も上昇し、結構暑い。関のミニストップから2時間走行後、ボトルの飲み物がなくなったので、飲み物補給でコンビニへ。赤コーラ500ccをその場で飲み干して、水をボトルに入れ、もう1本の水を頭からかぶる。ふう。

 桶狭間古戦場を通過して、しばらくして今度は前輪に異変。歩道に自転車を止めて触ってみると、完全パンク。。。。時間ロスを呪ったけど、嘆いても仕方がないのでサッサとチューブを外す。点検するもやはり分からない。後輪は交換後問題なく空気圧を保っているが、前輪はなんとしてでも原因を探らねば。チューブを丁寧に点検するもやはり分からない。自動車のタイヤ屋さんで水につけてチェックすれば手っ取り早いんだろうけど。タイヤの点検をして探すがやっぱり見つからない。何周かチューブを点検しているとかすかに傷を発見。ここから空気が漏れてるんだ。で、その原因を探るべくタイヤをチェック。タイヤ表面に小さな傷を見つけ、その傷の中から小さなガラス片を見つけた。これだ。よかった、これが見つかるのとそうでないのは大違い。それにしてもこの短期間に2回もパンクするとは、、、まてよ、この道はなるさんがファットバイクで、、、、いや、ガラスを踏んだ自分が悪いんだ。。。

 空気ボンベは使い切ったけど、携帯ポンプもあるし、偶然にもチューブは3本持ってきたのでまだ1本ある。最悪もう一回パンクしてもリタイアにはならずに済む。よかったなぁ3本目のチューブを持ってきて。

 本番では練習と違うことをしてはいけない、というのがトラブルを避ける鉄則であるわけですが、今回はサイコンの画面設定をいじってきてしまった。現在時刻、走行時間、ケイデンス、走行距離、現在速度、ここまでは特に問題なかったが、一番肝心のペース配分を知るための平均速度表示は、今までのロングでも表示させていなかった。途中で止まっていない第1スティンでは全く問題なく、ペースを把握するのに役立ったが、2度のパンクで余計な停止をしたあとの平均速度が全くもって上がっていかない。風は幸運にもほぼ追い風基調、巡航速度も30K以上をキープしているのだが、平均速度はほとんど動かない。止まる影響がこれほどあるとは想像もしていなかったので精神衛生上非常に悪い。途中でここの表示だけ壊れたのか?と真剣に疑ってしまうくらいだった。。。

第3スティント 本宿ー三島 
予定通り、本宿のセブンイレブンにピットイン。ボトル用にアクエリアス、赤コーラの小さいの、そしてゼリーを購入。もはや固形物は食べたくない。

IMG_1495.jpg

 うーん、箱根を考えるとこの数字以下には落とせないなぁ。結構ヘトヘトになってきた。休憩時に脚をちょっとペダリング方向と異なる向きに動かしてストレッチしようと思うとすぐにピキーンと攣る感じ。相変わらずの追い風基調が非常に心強い味方になっている。帰宅後ガーミンのデータを眺めて気づいたけど、250km走行以降心拍がどんどん下がっている。疲れが出てきてる証拠だな。

IMG_1497.jpg

 聖地を通過していよいよ静岡県に突入。袋井に夜8時頃に到着して、4時間かけて三島に移動して、12時頃に箱根を登り始めてもなんとか24時間達成できるような気がする。が、これは計算上であって、実際は走行速度が落ちてきているのを自覚していた。練習コースを走ってどんどん自宅に近づく。いっそこのまま帰ってお風呂に入ったら気持ち良いだろうなぁ、と何度も誘惑にかられる。

 午後6時半過ぎに袋井市役所前セブンに 到着。ボトル用にポカリ、あとゼリーを購入。いよいよナイトセクションの始まりなので、サイコンにバッテリーを接続し、画面のバックライトも点けた。知ってる道なので問題はないけど、速度が上がらない。日坂の登りでインナーローに入れて踏み込むとチェーンラインがずれている感じで下のギアに落ちようとしたりしてうまく噛まない。やっぱり輪行の影響でエンドが少し曲がったかなぁ。だましだまし登る。ミカザト過ぎて降って大井川を渡り、島田に入って、藤枝、静岡とゆっくり走る分には問題なく通過。清水駅を過ぎて興津に向かい、ここからのバイパスは自転車で通ってもいいらしいが、自動車の速度にびびってブルベコースで使う駿河健康ランド側に渡って下り車線の右側歩道を行く。まぁこれが大失敗。歩道なので安全なんだけど、対向車のヘッドライトが眩しすぎて自分の目の前が全く見えない。。。ほんと危ない。ここは昼間しか通ったことがないので気がつかなかった。路面に穴がないことを祈りながら通過する。目印のスマル亭をすぎて、信号で反対側へ渡る。この信号の長いこと。。。路肩幅がありそうだったから静清バイパス通った方がいいのかなぁ。なんとか信号渡って、分岐まですぐなので旧道を行かずにバイパスの路肩を行く。

 由比の分岐で東海道に入って、富士川まで進む。ここは昼間の1回しか通ったことがなかったのでかなり不案内だったけど、なんとか思い出しながら複雑にバイパスの下をくぐり抜け、富士川へ上がる階段にたどり着いた。

fujigawa.jpg

 ま、ちょっと迷走したけど、こんなもんでしょ。

 次は富士由比バイパスの回避。田子の浦は無事に通過したものの、前回の記憶が曖昧で間違ったところで曲がってしまい、道がわからなくなった。すでに時刻は夜の11時近くて、周囲に人もいない。まずいなぁ。自分の位置がわからなくなた。と、車でどこかへ出かける準備をしていた若者数人に出会う、急いで沼津方面への道を尋ねる。まぁ車の人は旧道なんて使わないので、あっちだっけ?いやバイパスは自転車通れないからこっちか?と教えるのに迷った様子だったが、一人が冷静にスマホを取り出し、「今、ここなんで、この道まっすぐ行ったらローソンがあるので、そこを右に曲がれば沼津に行けます」「いやぁ、助かったありがとう!」「頑張ってください」と怪しげなおっさんにも優しい声をかけてくれた。

numazu.jpg

 あー、今軌跡を見ると、なんであそこで左に曲がったかね?そのまま真っ直ぐでよかったんだなぁ。。。無事に千本浜の直線に出て走行。

第4スティント 三島ー神奈川のどこか
 走行距離が400kmに達した。予定ではこの距離を走ったら三島で箱根の登り口のはずだったのだが、コンビニのレシートを見ると住所が沼津市千本街道になっている。。。迷走がこんなに影響しているのか?

IMG_1499.jpg

 平均速度はジリ貧で、すでに時刻は11時半、もうすぐ箱根。うーん厳しいなぁ。箱根に備えてバナナ、ヨーグルトを補給してゼリーと水を持って、少し時間をかけてストレッチしてスタート。

 いよいよ箱根を上がる。予定の12時はもう過ぎている。走り屋さんはほとんどいないけど、トラックの爆走が非常に怖いのですぐに歩道走行にする。やっぱり変速機の具合が悪い。インナーローだとガチャガチャする。どう考えても1時間半か、それ以上かかりそう。もう速度計は見ない。一桁速度なのは分かってるし。幸いなのは気温がそれほど低くなく、防寒しなくても十分耐えられそうだったこと。真夜中の真っ暗な箱根旧道を上がっていると、男性が一人歩道を歩いている。追い抜いたものの、そこからしばらく行くと、とうとう体力と睡魔の限界がきた。いやここで寝たらさっきの歩行者に追い抜かれる。。。つーか寝てたら不審に思われるだろう。なんかもう変な精神状態になってきた。

 ついに止まる。路肩に自転車を止めて壁に寄りかかって寝る。爆走トラックが轟音を立てて通り過ぎていく。寝るっていうより、休むって感じ。再び自転車に乗ってのろのろ進み出す。

 「あー、キャノンボーラーになれなかったなぁ」

 膝がかなり痛くなってきた。もう何回止まったかよく覚えていないけど、ログを見ると2時間以上かかってる。峠に到着。ここから下りなので防寒装備をして、下り出す。まぁもう一回ちょっと登るんですけど、最高地点を過ぎて本格的な下に入る。車がほとんどいないので、自由落下で落ちていると、睡魔が襲ってきた。もうすぐ小田原だなぁというあたりで不意に意識が飛ぶ。速度はまだ結構出ているので、危なすぎる。

 朝の4時にローソンにピットインして裏の方で本当に寝る。何分寝たかわからないが、起きたらお腹が減ったのでコーヒとサンドイッチと菓子パンを食べる。コンビニのガラスに小田原競輪の新聞(前夜版)あります、っていう広告を見つけ、「そういえば阿佐田哲也の小説に競輪ファンは前夜版を買って検討するっていうくだりがあったなぁ」と変な感想を思い出す。

 夜が明けてきた神奈川をひたすら東に向かう。1号線なのでご丁寧に日本橋までの正確な距離を示したポールが道端に立ってる。まぁもう間に合わないのであとは安全にゴールするだけですけどね。

 平塚あたりのセブンで再び寝て、ようやく体も活性化してきた。戸塚の回避ルートも予習したつもりだったのだけど、駅のずっと手前で回避しないといけないのに、駅まできてしまう。

totsuka.jpg

 うひゃ、相当迷走してるな。タイムアタック中だったらたいへんだったな。結局わけがわからなくなったので、歩道橋を使って向こう側へ渡りました。あー、もっとちゃんと調べておくんだった。。。

 すっかり通勤で混雑している都会を進んで、いよいよ24時間が経過した。

IMG_1500.jpg

 保土ヶ谷あたりだったかな。おや、24時間走って512kmか、順調に進んだらゴール目前の距離のような。。。まぁいいや。まだ横浜にも到達していないし。

第5スティント 保土ヶ谷ー日本橋
 じきに横浜駅の横を通り抜け、15号線に入る。相変わらずの信号地獄。自転車乗りも増えてきて、いい感じに飛ばす人の後ろにつく。いや、信号ダッシュでとてもついていけないけど、先の信号で捕まってくれるので追いつく。を延々繰り返す。六郷橋のちょっとした回避もこなして、いよいよ東京都。品川手前の新八つ山橋を越えながら、落語の「居残り佐平次」を思い出したり。

 銀座に入り、7丁目、6丁目、5丁目とカウントダウン。4丁目の三越を過ぎて、いよいよ日本橋ゴール。

IMG_1502.jpg

545.0km TSS:632
25h52m25s (Gross)
21h51m25s (Net)

  ゴール後編に続く。

route.jpg


 


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

けびん

Author:けびん
好きなもの:ゆるい登り坂と追い風
好きじゃないもの:180以上の心拍数
欲しいもの:折れにくいココロ
なりたいもの:パンチャーのフリしたルーラー

アクセスカウンター
カレンダー
05 ≪│2017/06│≫ 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
カテゴリ
気になるお天気
走行距離
Amazon商品
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
最新記事
最新コメント